おくりびとは、「人はいつか死んであの世に旅立つから、そのお手伝いをする」
という納棺師という仕事に就いた青年の物語です。
納棺師という仕事に就くまでオーケストラのチェリストとして働いていた青年は
、この仕事に戸惑ってしまいます。
非常に大切な仕事でありながら、不吉な仕事として青年は最初、妻にもいえず、
また仕事に誇りを持てずに悩みながら仕事を続けるのです。
なぜならばこれ以外の仕事が地方都市に都会から妻とともに移り住んだ
青年にはなかったからなのです。
そしてチェロを弾く以外に何も資格や経験もないであろう青年には、なんの資格
もいらないおくりびとの仕事しかないという皮肉というか現実があるのです。
納棺師という影に隠れていて、あまりその仕事がどんなものなのかということは
知らされていませんが、今回はそれがよくわかる映画です。
映画の中では、最初、主人公の青年にとっては忌まわしい仕事であり、その仕事
がわかった妻も納棺師という仕事に強い拒否感を示します。
しかし実際に自分の家族や知人、友人、恋人などと死によって見送らなければな
らなくなった人間には、おくりびとは頼れる存在です。
しかし実際にはその納棺師という仕事は、重要な仕事でありながら、スポットが
当たることはありません。
お通夜やお葬式で出会う死者の姿はすべておくりびとが姿を整えてくれた後
の姿になっていて、悲しみをやわらげてくれます。
忌まわしい仕事ではなく、最後まで死者を見届けてくれるおくりびとは非常に切
なく、そして悲しい仕事かもしれません。
強い拒否感を示す主人公の青年も見習いをしていくうちに、納棺師という
おくりびとの仕事に目覚めていくのです。
サイトやブログ、掲示板を使って集め、おくりびとという映画で語られる
納棺師の存在を知るのもいいかもしれません。
映画では、青年と納棺師という仕事や青年をめぐる個性的なキャスト
に注目するのもいいでしょう。
納棺師という隠れた仕事にスポットを当てながら、死者との別れとは何かを考え
させられる映画です。
映画の中では、お通夜やお葬式前に行われる死者の姿を整えるという仕事
を細かく描写しています。
そこで死者の秘密を知る納棺師ならではの物語も語られていき、主人公の
青年を驚かせます。
主人公の青年は好奇心ではなく、おくりびとという仕事に関して、まったく興味が
なく、むしろ嫌悪感をもって見習いとなります。
しかし次第に納棺師という仕事に対して、家族や知人、友人、恋人などにとって
大切な人を送っていくこの仕事の大切さにに目覚めていくのです。
主人公の青年の劇的な内面の変化が納棺師という仕事とともにきめ細やかに描か
き出されています。

