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 2009年2月 
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おくりびとという仕事

おくりびとでは、主人公が納棺師という仕事に就いて、その仕事に対してな
かなかほこりを持つことができない煩悶が描かれます。
おくりびと、と聞くとやさしく響きますが、現実には納棺師は葬儀屋ですから、
死というタブーを生業としているわけです。
映画の中で、人の死を仕事にしていると主人公は、死に対するタブーにつ
いて悩み、納棺師見習いになってからも、妻に真実を告げられません。
また、主人公の妻が世間の代弁をするように、人の死を仕事にしている
という偏見を吐き出すようあらわにするのです。
おくりびと、というやさしい響きにしても、現実の納棺師は仕事が困難で精神的
にも辛いのに、理解者が少ないことを主人公の妻が表しています。
どんな仕事にも貴賎はない、といいますが、現実には差別されたり、偏見を受けたり、
そしりを受ける現実をこの仕事通して描いています。

物語が進むうちに、主人公は納棺師という仕事がどんな意味を持っているか
を理解し始めます。
決して人の死を仕事にしているだけではなく、死者の姿を整え、おくりだすという、
仕事に目覚めていくのです。
おくりびとはただ納棺師の仕事を教えてくれるだけではなく、自分が本当に今の
仕事に対してどう考えているのかも付きつけてくる映画です。
主人公は次第に見習いから始め、納棺師という仕事に矜持を持ち、死者の姿を
自分から整えるようになっていきます。
その姿にはおくりびととしての誇りがあり、死者と真正面から向き合わなければ
ならないという仕事を誠実にこなしていきます。
この映画は、納棺師という仕事を紹介している反面、本当に今、仕事に対して誇
りを持っているかも問う映画のようにも思えます。
今、改めて自分が仕事にどう向き合っているかを問うのもいいでしょう。
仕事にフォーカスを当てるとなると、おくりびとは一人前の納棺師として誇りを
持って臨んでいくまでの映画でもあります。
主人公が納棺師として成長するまでの過程を見つめながら、自分は本当に仕事に
真剣に向き合っているかも考えさせれらるのです。

映画はまさにゼロから仕事を始めて成長していく物語でもあり、仕事とは
何かを考えさせる描写も出てきます。
家庭を経済的に支えるためだけに見習いとして働いている状態から、本当に
おくりびととなっていく主人公の姿は感動的でもあります。
自分自身も死を仕事にするということに負い目を持っていた主人公が仕事に誇り
を持つようになる成長の描写を見ると、どの仕事でも同じなのだと感じるのです。
ですから今、自分の仕事に対して迷いがある方がこの映画を観ると、今一度、
自分の仕事に対して振り返るかもしれません。
特に仕事に対して意欲を失っているような方には、主人公の姿を観て、自分を見
つめ直すチャンスを与えられるのがこの映画のような気がします。

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